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2024.04.23
環境機器事業
日本赤十字社 松山赤十字病院「環境配慮×防災」で世界的に評価される松山赤十字病院を支える水処理設備

地下水飲料化システムをご採用いただいた経緯や運用効果について日本赤十字社 松山赤十字病院施設管理ご担当者様にお話をお伺いしました。
 


 
200名以上の医師と30を超える診療科をそろえ、地域医療支援病院として地域に根ざした安全・安心な医療を提供する「松山赤十字病院」。2022年12月に新たに開院した新病院は、免震構造の建物に585床の病床のほか、高度な医療設備、そして快適な療養環境を備えるだけでなく、CO2排出量削減や省エネを考慮した設計により環境への配慮と地域の防災拠点を兼ね備えた先進の病院です。
こうした取り組みにより、2022年度には病院や医療機関の活動・取り組みを評価するIHFアワード(国際病院連盟賞)2022にて、グリーンホスピタル部門の最優秀賞「金賞」を国内で初めて受賞。その「災害に強い水の有効利用」、「自然風・自然光の活用」、「最新のエコ技術」、「屋上緑化」他、省エネ・省CO2を推進した活動は、国内外から高い注目を集めています。

今回は同病院の「災害に強い水の有効利用」部分にご採用いただいた上水・排水処理設備の採用経緯や運用効果についてお話しいただきました。
 

ご導入いただいている水処理設備

  • 上水設備(地下水活用)
  • 排水処理設備
  • 雨水再利用設備

 

検討されていた事項/感じられていた課題

  • 地下水活用時に医療機関として求められる極めて高い安全基準を満たすことができるかどうかの水質調査
  • 大量に使用する上水および排水処理における運用コストの最適化
  • 設備設置予定スペースで常時だけでなく、災害時にも十分な給水量が確保できるかどうかについての検証
  • 排水基準を満たし、自然環境に影響を与えないための配慮

 

ご提案内容

  • 新規井戸の掘削による事前の水質データ収集/調査の実施
  • 総合水処理設備メーカーとしての知見・技術・経験を活かした病院内水処理施設の一括提案(上水としての地下水活用・排水処理設備および浄化槽設備・主に散水/トイレ洗浄を目的とした排水・雨水の再利用設備)
  • 目標とされているサステナブルな災害拠点病院としての考えに寄り添った提案

 

導入による効果

  • 薬剤部、検査部、手術室等の極めて厳格な安全性が求められる条件下での地下水活用
  • 上水コストの大幅な削減
  • 病院内水処理施設関連の相談窓口一本化による業務効率化
  • 万が一の災害時に稼働できる地域の災害拠点病院としての役割強化

 

災害対策検討のきっかけとなった松山大渇水・芸予地震

災害への備えを強く意識しはじめたきっかけは、1994年の松山大渇水、2001年に発生した芸予地震です。
災害発生当時の旧病院では運用面、設備面ともに十分な機能を果たすことが困難となり、大きな影響を受けました。
その体験を踏まえ、病院全体としても災害を見据えて「地域の中核病院としてどうあるべきか」との検討機運が高まっていきました。
 

極めて高い安全基準が必要な医療現場の「水」供給を地下水で実現

2015年から着手した新病院計画に伴い、災害時の断水にも対応できる地下水の有効活用を考えていました。一方、地域の医療を守る立場として患者様の健康や安全を考慮した、手術や透析、調剤・製剤にも使える水を求めており、これらの高い基準を計画の中で満たすことができなければ、地下水の活用は実現できませんでした。
1960年代から続く総合水処理メーカーのダイキアクシスは徹底的な事前調査により、上水としての地下水の活用だけではなく、主に散水・トイレ洗浄のための雨水再利用や排水処理を含めて、安全性証明のために提示した条件をクリアしてくれました。
さらに導入時の大幅なコストダウンだけでなく、上水のランニングコスト削減も実現できるプランの提案により、現在の運用体制を実現することができました。
 

設備導入と稼働後の効果

メンテナンスも同社に依頼していますが、特に「各種問い合わせに対する回答の早さ・細やかな対応」が良い点だと感じています。当院では医師をはじめ各職員が専門的知識を有しており、導入検討時よりさまざまな立場からの要求や問い合わせをいたしましたが、ダイキアクシスは常に豊富な知識と経験を活かした対応をしてくれました。
また地下水を活用した上水設備は、ダイキアクシスの遠隔監視と遠隔操作を実現するIoTシステムが組み込まれているだけでなく、排水処理設備も含めて水関連設備の窓口が一本化されているため、病院側として業務効率化につながっています。

110年の歴史と経験で、これからも地域の人や環境にやさしい病院であり続ける

松山赤十字病院は1913年に創立し、110年の長い歴史を経る中で皆さまには「日赤さん」と呼んでいただき、地域に受け入れていただいてまいりました。
今回の新病院建設では、先進の医療や災害時の運用を実現するための設備を整えることで、病院運営の持続性を強化することができたと感じています。
しかし医療を提供する立場として設備に頼りきるのではなく、「私たち松山赤十字病院に求められていることは何か」ということを常に念頭におき、地域の病院や診療所との連携、患者様のご支援などしっかりとコミュニケーションをおこなうことで、一人ひとりの患者様に寄り添った安全・安心な医療の提供につとめてまいります。ダイキアクシスには地域や環境へ貢献する仲間として、これからも当院に協力いただきたいと願っています。
 

お客様プロフィール

医療機関名 日本赤十字社 松山赤十字病院
病院所在地 愛媛県松山市文京町1
職員数 1,520人(2024年3月)
開設年月日 大正2年4月1日
概要 200名以上の医師と30を超える診療科をそろえ、地域医療支援病院として地域に根ざした安全・安心な医療を提供する愛媛県に所在する日本赤十字社が運営する公的病院
WEBサイト

 

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