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[前編]ダイキアクシスグループの
“PROTECT×CHANGE”!
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2023年9月15日、ダイキアクシスグループは創業65周年を迎え、2024年1月1日をもって大亀裕会長(現社長)・大亀裕貴社長(現専務)による新体制をスタートすることを発表しました。社長交代の発表を受けて、今回は大亀裕社長・裕貴専務へのトップインタビューを敢行。プレスリリースでは伝えきれなかった思いを語ってもらいました。前・後編でお伝えします。

 

 

2023年、大きな節目となった創業65周年

 

創業65周年記念式典を終えて

聞き手(以下Q):はじめに、当グループの大きな節目である創業65周年記念式典を終えて、今のお気持ちからお聞かせください。

大亀裕社長:本年度は業績も苦戦を強いられる中、長く振り回されたコロナが明け、8月に公表した製品に関する問題にもきっちり対応してもらったことから、社員への感謝と敬意を込めて開催を決定しました。天候の心配などもありましたが、無事開催できて良かったと思っています。

大亀裕貴専務:大きい問題が発覚し、業績もあまり芳しくない中でも社員のモチベーションも考えての開催でした。海外からも参加してくれて、900名近いメンバーが集まることができました。4会場に分かれての開催となったことは少し残念でしたが、一つの場所に社員の皆さんが集まって交流を持っていただけたのは良かったと思います。

 

 

Q:その記念式典会場で、社長交代が発表されました。会場での反応はいかがでしたか。

大亀裕社長:反応はあまりなかったよな。しゃべりが下手だったのか(笑)。

 


大亀裕貴専務:発表された時にざわめきが起こったのは1会場だけだったと記憶しています。

 

 

 

Q:突然の発表に驚いたのだと思います。なぜ今、社長交代を決断されたのですか。

大亀裕社長:節目の年にという思いがあり、今年は上場からちょうど10年、事業分割でダイキアクシスをつくってから18年、分割の準備から含めると20年たっているので、その長さも含めて、65周年の節目にと考えました。


大亀裕貴専務:僕としては、結果的に社長交代となったという感じです。最初に海外営業部に入社した時も3年ぐらいは現場を経験してという話だったのですが、次の年には役員になって、採用教育、情報企画、経営企画、海外子会社管理の部署を見るようになり、昨年専務になってからは全社的な経営戦略というように少しずつスケールを広げてきました。

 

 

社長交代、若きリーダーへの期待

Q:プレス発表後、社外からの反応はいかがでしたか。

大亀裕社長:「よく決断したね」というお声掛けや、プライベートも知っている人からは「これからはゴルフだけだね」「楽になりますね」という声は掛けてもらいました。


大亀裕貴専務:友人からは「おめでとう」という話もありましたし、「大変になるね」「プレッシャーだね」という声もかなりありました。やはり上場企業ということもありますし、年齢的にも若いよねということでいろいろな方面からお声掛けいただいて、お祝いの言葉を頂戴しています。

 

Q:記者会見後の報道でも、31歳という若さが注目されていました。

大亀裕社長:それをネガティブに捉える方はいないと思っているんです。少なくともこれまで彼(裕貴専務)が関係性を築いてきた海外の代理店や取引先の方からは絶対、好感度が増すと思っています。社内的にも若いリーダーになることで、これから入社してくるZ世代や若手社員に対してのブーストになればという期待値もあります。

大亀裕貴専務:若いリーダーだからこそ若い世代と一緒にやっていきたいという思いは強いですが、組織をガラッと変えるつもりはないですし、まだまだ先輩方のサポートのもと、会長はじめ役員、管理職も含めて各トップの方たちと一緒に進めていきたいと思っています。

 

 

 

ダイキアクシス設立から、社長交代まで

 

創業家社長として

Q:創業65周年を迎えた当グループですが、ダイキアクシスは前身であるダイキ株式会社から分離独立する形で、2005年に大亀裕社長が設立されました。その時、どのような思いで事業を分割されたのでしょうか。

大亀裕社長:当時、ダイキ株式会社はホームセンター事業が大きく成長し、住宅設備、浄化槽事業は3本柱といいながらサブ事業のようになっていました。人がこんなにいて、事業としても可能性があるのに主力事業ではないのはもったいないと感じ、MBO(経営陣による自社買収)を行ってダイキアクシスを設立しました。

 

 

Q:その頃専務は中学生でしたが、次期社長を自覚されたのはいつ頃ですか。

大亀裕貴専務:自覚は結構小さい時からありました。祖父も父親も社長をやっている中で、周りからも言われますし、憧れのような気持ちは幼い頃からあったと思います。ただ、進学時にも就活時にもダイキアクシスに入れとは言われたことがなかったです。就職して社会人2年目の時に初めて、社長から「海外に興味があるなら、そろそろどうや」という話がありました。それで入社を決意しました。

 

 

海外統括を経て、次期社長へ

Q:2017年というとグローバル事業本部を立ち上げ、海外展開を本格化させた時期です。成長戦略の要である海外事業を任せようというビジョンは当初からあったのですか。

大亀裕社長:任せようというよりも、当時社内にグローバル人材がそれほどいなかったという内部事情もあり、そのタイミングで声を掛けて海外営業を担当してもらいました。本来ならもう少し社会経験を積んでからが良かったのですが、その後の海外展開のスピードを考えると最適解だったといえるかもしれません。

 

Q:そして2024年には社長交代し、会長・社長の新体制に移行します。ずばりファミリービジネスの強みは何でしょうか。

大亀裕貴専務:僕自身、経営知識を一度体系的に学びたいと思い、学部時代の母校(早稲田大学)の大学院ビジネススクールでファミリービジネスを研究テーマにMBA(経営学修士)を取得しました。ファミリービジネスの最大の強みは意思決定の早さです。また、ファミリービジネスのトップは20~30年というスパンでの長期的な経営の軸があるので、数年ごとにトップが代わって経営の判断基準が変わる企業よりも、軸が正しければ大きな強みとなります。僕自身これから30年、40年やっていきたいという思いはあるので、超長期で経営ビジョンを立てながら軸をぶらさず取り組んでいきたいと思います。

 

 

 

2024年、新体制のスタートに向けて

 

「PROTECT×CHANGE」の実現に向けて

Q:最後にご自身にとっての「PROTECT×CHANGE」とメッセージをお願いします。

大亀裕社長:グループとしてはこの二人(会長・社長体制)が“PROTECT×CHANGE”ですよね。自分自身はまず体力を維持すること。そして考えが凝り固まって老害にならないように、大局を見る目には敏感でありたいと思っています。あとは若い人たちが好きなので、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を立ち上げましたから、スタートアップ企業を温かく見守りたいと思います。

大亀裕貴専務:自分にとってのPROTECTは、謙虚であり続けることです。幼い頃から「おごるな、謙虚でいろ」と厳しく言われてきましたし、役職になってもおごるなと自分に言い聞かせながら周りの人に支えられてやってきました。今後も謙虚な気持ちを忘れず、周りのサポートも頂きながら自分自身も努力し、尊敬される経営者になっていきたいと思います。
社員には、企業風土である真面目な姿勢を守っていただきながら、時代に沿ってやり方を変えて、面白い業界、面白い会社にしていこう!というメッセージを伝えたいです。

 

ありがとうございました。続く後編では「社員からの質問Q&A」をお伝えします!

 

 

 

 

大亀 裕
代表取締役社長CEO(2024年1月より代表取締役会長就任予定)

愛媛県松山市出身。松下電器産業株式会社勤務を経て1987年ダイキ株式会社(父・孝裕氏が1958年に創業)に入社。経営企画、取締役、常務取締役を経て2004年代表取締役専務に就任。2005年、ホームセンター事業を分離し、現在の主力3事業を分割継承する形で株式会社ダイキアクシスを設立。2013年には東京証券取引所市場第一部への上場に向け、海外進出を本格化。2016年からは「PROTECT×CHANGE」をコーポレートスローガンに掲げ、「水」と「環境」を軸(AXIS)とした事業展開を通じ、環境と暮らしに貢献する企業グループを目指す。
(2023年12月現在)

 

 


 

大⻲ 裕貴
専務取締役CIO CGO(2024年1月より代表取締役社長就任予定)

愛媛県松山市出身。スイスでの高校時代、ボランティアトリップで訪れたアフリカ・ザンビアの暮らしに衝撃を受け、以来、途上国を中心に53カ国を訪問。環境問題、社会貢献への関心を深める。大学卒業後、株式会社日立製作所を経て2018年ダイキアクシス入社。グローバル事業本部、常務執行役員兼社長室長を経て2022年より現職。2023年にはグループ初の統合報告書発行に合わせ、理念体系を刷新。「世界の環境課題を技術とアイデアで解決し、世界の人々の生活を支える」をパーパスに掲げ、サステイナビリティを軸とした企業経営の実践を目指す。
2023年早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程(MBA)修了
(2023年12月現在)