MEMU
2025.08.22
再エネ事業
愛媛日産自動車 再生可能エネルギーの導入で実現するGX経営と地域との共創

太陽光発電設備(オンサイトPPAモデル)導入の背景や、実際の運用効果について愛媛日産自動車さまにお話をお伺いしました。


 愛媛日産自動車について
 
愛媛県全域に店舗ネットワークを展開し、地域のカーライフをサポートし続けて、来年70年を迎える「愛媛日産自動車株式会社」。
日産ブランドの新車・中古車の販売やメンテナンスを主軸に、電気自動車(以下、EV)の普及を通じて、脱炭素・防災の両面から地域社会に貢献をされています。

日産自動車㈱は、他ブランドに先駆けてEVの販売に取り組まれてきたメーカーであり、EVを単なる移動手段にとどまらず、蓄電池としてご家庭や企業の省エネ化、さらには災害発生時の非常電源としての活用にも注目しています。
同社ではこうした考えのもと、来たるEV時代に向けて、“EVのある暮らし”を総合的に提案できる企業を目指し、事業に取り組まれています。
また、再生可能エネルギーの導入にも積極的に取り組まれており、GX(グリーントランスフォーメーション)や脱炭素社会の実現にも貢献されています。

今回は、オンサイトPPAモデルを活用した太陽光発電設備の導入背景やその効果についてお話を伺いました。
 

ご導入いただいている設備

太陽光発電設備

  • オンサイトPPAモデル(お客さまの敷地に発電設備を設置し、その場所で発電された再エネ電力を、お客さまに直接供給する仕組み)
  • 発電能力:AC50kW、75kW
  • 年間想定発電量:81,731kWh、78,887kWh
  • 導入店舗:松山インター店、西条店

 

検討されていた事項/感じられていた課題

  • 再生可能エネルギーを活用した店舗運営の転換による企業姿勢の明確化とGX経営の推進
  • 店舗運営における光熱費等の経費削減
  • 災害時の電力確保等によるBCP(事業継続計画)対策
  • 災害発生時に備えた従業員の安全確保と地域住民への支援体制の構築

 

ご提案内容

  • オンサイトPPAモデルを活用した初期投資ゼロの店舗屋上設置型太陽光発電設備の導入
  • 店舗規模や運用形態に即した発電容量の設計および長期的なエネルギーコスト削減プランの提示
  • GX経営・脱炭素経営に向けた実効性のあるシナリオまで踏み込んだ提案
  • 補助金の活用や長期的な運用サポート等、導入後を見据えたトータル支援

 


「EV時代」に向けて――再エネ導入で“地域を守り”、“環境に貢献”する企業へ

私たち愛媛日産自動車は、日産自動車の正規ディーラーとして地域に根ざし、お客さまのカーライフをサポートしてきました。
近年では、EVの販売・普及にも力を入れています。日産自動車は他のブラントに先駆けてEVを市場に投入してきた実績があり、EVが持つ多面的な価値に注目してきました。
EVは単なる移動手段というだけでなく、蓄電池としてご家庭や企業の省エネ化に貢献できるほか、災害発生時の非常用電源として活用できます。
私たちは、来たるEV時代に向けて“電気自動車のある暮らし”を総合的に提案できる企業でありたいと考えています。

そういった考えの延長線上にあったのが、店舗を再生可能エネルギーで運営するという選択でした。EVは排出ガスを出さない環境にやさしい車です。にも関わらず、そのEVを販売・提案する立場である私たちが、店舗運営において化石燃料由来の電力を使い続けているのは、どこか矛盾しているように感じていました。
このギャップを解消し、企業として一貫した姿勢を示すことが再エネ=太陽光発電設備の導入を前向きに検討するきっかけの一つとなりました。

また、再生可能エネルギーの導入は、GX経営や脱炭素経営に直結するだけではなく、店舗運営における光熱費などの経費削減や、災害時に地域の力になれる体制を整えることにもつながります。

企業姿勢を示すだけではなく、地域に根ざす企業として“地域とともに在る”ために、太陽光発電設備の導入は避けて通れないテーマだと考えました。
 

脱炭素化に向けて、GXをともに進める“地域の伴走者”

太陽光発電設備の導入を検討するなかで、愛媛県内で脱炭素に向けた先進技術の社会実装を支援するプロジェクト「トライアングルエヒメ」で、ダイキアクシス・サステイナブル・パワーと出会いました。ダイキアクシス・サステイナブル・パワーがコンソーシアムへの参画を進めているのを知り、地域に根ざした脱炭素の取り組みに共に貢献していきたいという想いから、関心を持ちました。

ダイキアクシス・サステイナブル・パワーのオンサイトPPAモデルの太陽光発電設備を採用した理由は、初期投資が不要であること、そして契約期間中の電力単価の抑制などコスト面でのメリットが大きかったことにあります。
自社で設備を購入する方法などいくつかのスキームと比較・検討しましたが、初期費用や運用負担等を考えるとオンサイトPPAは長期的な経済性の高さが魅力でありました。

また、ダイキアクシス・サステイナブル・パワーが掲げられている考え方や理念に共感を覚え、地域の脱炭素化という共通の目標に向けて継続的に連携していきたいという想いがあったことも大きな後押しとなり、総合的に判断して本モデルを選定しました。

西条店への導入は松山インター店に続く2店舗目になります。1店舗目での確かな実績と信頼性、さらには「トライアングルエヒメ」の参画企業としての地域や社会に向き合う積極的な姿勢に共感できたことが、継続してお願いをする決め手となりました。

今後も、持続可能なエネルギー利用の実現と、地域社会への価値提供を両立させながら、より良いかたちで協力関係を築いていければと考えています。
 

 

顧客に寄り添う姿勢と、導入後まで見据えた提案。そして、確かな対応力が“導入してよかった”と思えた理由

導入の検討を始めてから実際に運用を開始するまで、全体を通してとてもスムーズに進んだという印象があります。
提案段階から当社の店舗規模や電力の使用状況に合わせた最適なプランをご提案いただき、契約条件や専門性のある技術的な内容に関しても私たちの理解度に合わせて分かりやすくまとめてくださったことから、社内での合意形成や関係者への説明も進めやすかったです。

特に印象に残っているのが、将来的なエネルギーコスト削減の見通しや、脱炭素経営に向けた実効性のあるシナリオまで踏み込んだご提案をいただいたことです。
単なる設備の導入ではなく、経営の方向性に合わせた長期的な視点が盛り込まれていたことで、見通しも立ちやすく安心して導入を進めることができました。

続く西条店への導入でも、既存設備との兼ね合いや工事スケジュールの調整など、柔軟かつ迅速にご対応くださったおかげで、トラブルもなく導入することができました。
また、補助金の活用や今後の運用についても、単なる設備導入にとどまらない“その後”までを見据えたご提案とサポートが非常にありがたく、安心してお任せできた理由のひとつです。

提案から導入、そして導入後まで、一貫して私たちの立場に寄り添いながらご対応いただいたことが安心感につながりました。
 


 

約30%の電力を太陽光でまかない、成果を伴うGX経営への確かな一歩に

稼働を開始してから、電力コスト削減の効果を実感しています。
店舗における電力使用量のうち、約30%を太陽光でまかなえることから月々の電気料金に変化が見えてきました。また、自社から排出されるCO₂の削減量がデータとして可視化されたことで、具体的な成果として社内外に発信がしやすくなり、取り組みの効果をより実感できるようになりました。

今回の設備導入では、太陽光発電による電力を全量EVで利用した場合、年間約41トンのCO₂の排出削減を見込んでいます。これは一般的なガソリン車1台が約28万㎞(地球約7周分に相当)走行する際に排出するCO₂量に相当することからそのインパクトの大きさを感じています。

こうした実績が、会社全体として脱炭素に取り組んでいるという実感につながり、今後の更なる施策の後押しにもなっています。
社内では、社員一人ひとりの環境や省エネに対する意識が高まり、日々の行動にも変化が見られるようになりました。太陽が出ているときにEVを充電しておこう、みたいな動きとか。再生可能エネルギーの活用であったり、コストに目を向ける社員が少しずつ増え始めたというのは、取り組みとして実を結び始めたのではないかと感じています。

これまで企業姿勢として掲げていたGX経営が、再生可能エネルギーの導入を通じて「成果を伴うGX経営」へと確かな一歩を踏み出すことができたと考えています。
 


※環境省の資料を参考に、ガソリン車1台あたりCO₂排出量:約0.14kg/kmとして試算
 

GXを推進し、地域社会とともに次世代につながる価値を創る

私たちはこれからも地域とともに歩むカーディーラーとして、次世代を見据えた挑戦を続けていきます。
店舗への再生可能エネルギーの導入をさらに広げていくほか、EVのバッテリーを再活用する“リファービッシュEV”の推進に力を入れ、CO₂の排出削減だけではなく“地域でつくった電気を、地域で使う”というエネルギーの地産地消の仕組みづくりに積極的に取り組み、地域とともに次世代につながる価値を創出してまいります。

GXや脱炭素といった取り組みは、私たち単体で完結できるものではありません。
今回の取り組みで、ダイキアクシス・サステイナブル・パワーには提案段階から導入、アフターフォローに至るまで、一貫して丁寧かつ柔軟にご対応いただきました。
今後も、再生可能エネルギーのさらなる導入や、グループとしての「トライアングルエヒメ」におけるリファービッシュEVの取り組みなどへの参画、地域と連携したGXの推進において、地域パートナーとして引き続き伴走いただけることを期待しています。
 

「オンサイトPPAモデル太陽光発電設備」のご相談・お問い合わせについて

 

お客様プロフィール


企業名 愛媛日産自動車株式会社
本社所在地 愛媛県松山市宮西2丁目8-27
社員数 327名
事業内容 日産自動車の新車販売、中古車販売、車検整備及び点検・修理、自動車部品及び用品の販売、損害保険代理店業務(ディーラー特級代理店認定)
WEBサイト

※掲載されている情報は、インタビュー当時のものです(2025年7月実施)