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サステナビリティファイナンス

 
 

サステナビリティファイナンス(サステナビリティ新株予約権およびサステナビリティローン)

当社は、2020年8月21日の取締役会において「第三者割当てによる第2回新株予約権」の発行および「実行可能期間付タームローン契約」の締結を決議し、2020年9月7日に新株予約権割当先であるモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社に新株予約権の割当てが完了しました。
本新株予約権により調達した資金は、当社の主要セグメントである「環境機器関連事業」の水関連インフラ事業の海外展開に係る設備投資・運営費用および「再生可能エネルギー関連事業」の太陽光発電事業の開発・運営・設備販売に充当します。

 

サステナビリティファイナンスの概要

サステナビリティ新株予約権

発行決議 2020年8月21日
割当日 2020年9月7日
潜在株式数 2,500,000株
調達資金の予定総額 21億円
当初行使価額 875円
下限行使価額 805円
※当社の取締役会決議により725円に修正可能
行使期間 3年
行使価額および
行使価額の修正条件
各行使請求の効力発生日の直前取引日の終値の92%に相当する金額に修正
※当該金額が下限行使価額を下回る場合、下限行使価額=行使価額
割当先 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社

 

サステナビリティローン

契約締結日 2020年8月21日
借入形態 実行可能期間付きタームローン
組成金額 21億円
実行可能期間 3年
設定の目的および
返済方法
  • 新株予約権の特性による資金調達時期によって資金使途の対象となるプロジェクトに遅延が生じないようにするために借入枠を設定
  • 本ローンに残高がある場合には、上記新株予約権の行使により調達した資金をその返済に充当
貸出人 株式会社三菱UFJ銀行

 

本ファイナンスの背景

  • 当社における成長戦略の一つである環境機器関連事業における「水関連インフラ事業の海外(中国・東南アジア・インド)展開」および再生可能エネルギー関連事業における「太陽光発電事業の開発・運営・設備販売等」を推進するために本資金調達を実施しています。
  • 本資金調達により、アジア・アフリカ地域の水資源有効活用ならびに汚染の防止および管理を行うとともに、再生可能エネルギー事業への注力による温暖化ガス排出量の削減に貢献することで、環境改善の推進およびサステナブルな社会の実現を目指します。

 

本ファイナンスのポイント

ESG認証

本件における調達資金は、資本市場において最も幅広く認知されているESG投資に関連する基準・ガイドライン等で定められている要素※1に適合する環境・社会貢献に資するプロジェクトに充当します。
この計画の妥当性について、第三者評価機関であるDNV GL ビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社※2よりセカンドパーティオピニオンを取得しています。

 

※1 新株予約権における環境・社会貢献への適格性につきましては、債券(ボンド)やローン等において国内外のサステナビリティファイナンス実行の基準として広く認知されている以下の原則・ガイドラインにおいて定められる核となる4つの要素(①調達資金の使途、②プロジェクトの評価と選定のプロセス、③調達資金の管理、④レポーティング)を、新株予約権固有の払い込みや行使の手続きを考慮して参照・適用しました。

名称 策定・公表機関 内容
グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2021 国際資本市場協会(ICMA) グリーンボンドの発行に係るガイドライン
ソーシャルボンド原則(Social Bond Principles)2021 国際資本市場協会(ICMA) ソーシャルボンドの発行に係るガイドライン
サステナビリティボンド・ガイドライン(Sustainability Bond Principles)2021 国際資本市場協会(ICMA) グリーンボンド原則と、ソーシャルボンド原則の両原則の関連性を確認し、また、適用による透明性とサステナビリティボンド市場への情報開示を促すためのガイドライン
グリーンボンドガイドライン2020年版 環境省 グリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実務担当者がグリーンボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例および我が国の特性に即した解釈を示すことで、グリーンボンドを国内でさらに普及させることを目的としたガイドライン
グリーンローン原則(Green Loan Principles)2021 シンジケートローン市場で積極的に活動している大手金融機関の代表から成るアソシエーション グリーンローン商品の開発と誠実性向上の促進を視野に入れて策定されたガイドライン


※2 1864年に設立されたノルウェー・オスロに本部を置く第三者評価機関です。ESG投資では、環境省のグリーンボンド発行支援者登録者(外部レビュー部門)や、低炭素経済に向けた大規模投資を促進する国際NGOである気候ボンドイニシアチブより認定を受けた検証者としてグローバルに活動し、国内外で多くのセカンドパーティオピニオン提供実績を有する組織です。

 

バックアップローンの設定

本新株予約権の行使は本新株予約権者の判断に依存し、また、行使価額は修正される可能性があります。このため、「資金使途の対象プロジェクトの遅延の回避」および「当初想定の調達金額に満たない可能性の排除」を目的としたローン契約を締結しました。
なお、本ローンに残高がある状態で新株予約権の行使によって資金を調達した場合には、その調達資金は返済に充当します。

 

調達資金の使途

SDGsターゲット6・7・13本件において調達した資金は、下記4つのプロジェクトに対して充当します。
なお、これらのプロジェクトにつきましては、DNV GL ビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社から取得したセカンドパーティ・オピニオンにおいて、SDGsが掲げる目標およびターゲットである「6:安全な水とトイレを世界中に」、「7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」および「13. 気候変動に具体的な対策を」に貢献する取り組みであることを評価されています。

 

浄化槽製造工場の建設および運営

当社の主力事業の1つであります環境機器関連事業におきましては、途上国を中心とした急速な都市化および経済成長により今後一層の海外市場の拡大を見込んでおり、また、環境省より2017年7月25日に公表されている「環境インフラ海外展開基本戦略」においても我が国における途上国への貢献についての取組方針が定められています。特に、東南アジア、南アジアおよびアフリカ等下水道普及率が低水準な地域においては、水質汚染等の公害問題の対応について対策が求められています。
当社では、各国政権が打ち出している排水処理水質規制の強化および排水処理技術の輸入等の環境改善課題等に鑑み、ミャンマー・スリランカ・バングラデシュ・ケニア・インドなどにて浄化槽製造工場の建設を計画しています。

 

排水処理事業(BOO事業・BOT事業※3

現在、インド・ミャンマー・スリランカ・バングラデシュ・ケニアにおいてBOO事業・BOT事業の検討を進めています。BOO事業・BOT事業においては、当社が浄化槽等の設置を行い、当社が所有権を持った状態で定額または排水処理量に応じた利用料を顧客が負担する方式のため、浄化槽導入のための初期コストの問題を解決することが可能です。導入への費用面でのハードルを下げ、更に浄化槽の有効性認知を高めることで将来における浄化槽販売市場の拡大を目指しています。

※3

BOO事業 建設、資金調達、維持管理および運営を当社グループで行い、契約終了後は当社グループが施設の所有権を所有し続ける、または、施設を解体、撤去して事業を終了させる方式です。(Build Own Operate)
BOT事業 建設、資金調達、維持管理および運営を当社グループで行い、契約終了後に顧客に施設の所有権を移転する方式です。(Build Operate Transfer)

 

 

飲料水事業(WaterKiosk事業)

インドでは、インド中央政府のMinistry of Jal Shakti(水環境省)が“Jal Jeevan Mission(以下「JJM」といいます。)”を打ち出し、JJMのメインミッションとしてすべての家庭に水道水配管をつなげることを掲げています。また、上記メインミッションとは別に、信用のできる飲料水システムの開発、飲料可能になるまでの水処理技術の介入ならびにさまざまなステークホルダーが飲料水問題解決へ向かうための能力開発および支援活動が掲げられています。
当事業において、当社は飲料水販売所(WaterKiosk)※4を設置・運営いたします。当該販売所の顧客は、近隣の一般消費者のほか販売所周辺の商店や屋台も対象としており、それらの店舗で従来利用されている上水設備よりも安心かつ安全な飲料水を提供します。

※4 飲料水販売所(WaterKiosk)とは公共の場所に設置された飲料水の販売所のことをいい、上水道からRO膜と呼ばれる浄化槽においても利用される高度な水処理が可能なろ過膜を利用して、不純物等を取り除くことで安全な飲料水を提供します。

 

太陽光発電事業の開発・運営・設備販売等

当社グループは、太陽光・バイオディーゼル・風力等を用いたカーボンニュートラル・脱炭素社会に貢献するエネルギーの創造および提供を目的とした再生可能エネルギー事業を主要事業の一つとし、当該事業への注力を行っています。
太陽光発電に係る売電事業においては、ホームセンターを運営するDCMグループの全国に所在する店舗のうち130店舗の屋根を賃借のうえ太陽光設備を設置し、FIT制度(固定価格買取制度)を活用した売電を行っています。しかし、FIT制度終了後の事業展開においても検討する必要はあり、再生可能エネルギーに関するソリューションに対し、導入から運用までの一連の業務を最適なプランニングにより総合的・ワンストップで実施することを実現することにより、環境改善への貢献を目指します。

 

プロジェクトの評価と選定プロセス

サステナビリティファイナンスによる調達資金充当の対象として選定したプロジェクトが適格クライテリアに適合しているかについては、当社の財務部が以下の基準および前提条件を満たす適格プロジェクトの候補を選出し、計画を作成した上で、当社CFOが最終決定しました。

基準 グリーンボンド原則(国際資本市場協会ICMA、2021)
ソーシャルボンド原則(国際資本市場協会ICMA、2021)
サステナビリティボンド・ガイドライン(国際資本市場協会ICMA、2021)
グリーンボンドガイドライン(環境省、2020)
グリーンローン原則(大手金融機関からなるアソシエーション、2021)
前提条件 環境関連法令および諸規則の遵守(環境アセスメント実施等)
地域コミュニティへの対応

 

 

調達資金の管理

調達資金の管理は、当社財務部が行います。
なお、サステナビリティファイナンスのうち、新株予約権特有の資⾦調達に関する取扱いは下記をご参照ください。

 

<重要事項>新株予約権特有の資⾦調達に関する取扱い

新株予約権の⾏使による払込みの有無と権利⾏使の時期は本新株予約権者の判断に依存し、また本新株予約権の⾏使価額は修正または調整される可能性があるため、現時点において調達できる資⾦の額および時期は確定したものではなく、現時点において想定している調達資⾦の額および支出予定時期に差異が発生する可能性があります。
現時点において想定している⾦額の資⾦を調達できなかった場合や支出予定時期との関係で不足が生じた場合には、当該時点の状況に鑑み別途必要な資⾦をこのサステナビリティファイナンスに含まれるローンまたは手元資⾦から充当し、または⾦融機関からの借⼊等で調達する予定です。本新株予約権の⾏使により調達した資⾦は、各資⾦使途のうち、支出時期が到来したものから、順次充当します。

 

レポーティング

4つのプロジェクトごとに、以下の内容について年次でレポーティングします。

 

調達資金の充当と管理

調達資⾦の充当と管理については⼤半の充当が完了するまでの間開示する予定です。
開示の際は新株予約権およびローンによる調達資⾦を区別して開示する予定です。

  1. 調達資⾦を充当したプロジェクト毎の設備投資額
  2. 調達資⾦のうち、未充当資⾦の額

 

対象プロジェクトと進捗状況

  1. 調達資⾦を充当した適格プロジェクトの所在、名称、生産品目、生産能⼒等の情報(機密性を考慮)
  2. 調達資⾦を充当した適格プロジェクトの進捗状況(例︓建設中の場合はその状況 完成予定時期等)

 

環境・社会課題改善効果

  1. 浄化槽製造工場の建設および運営
    調達資⾦を充当した工場から製造・出荷された浄化槽数およびその浄化槽によって処理出来る排水処理量⾒込(km3/年) ※ただし、下記プロジェクト((2) 排水処理事業(BOO 事業・BOT 事業))に係る浄化槽の製造は含みません
  2. 排水処理事業(BOO 事業・BOT 事業)
    調達資⾦を充当した施設の状況(設置場所、設計処理能⼒、稼働したプロジェクトの状況、排水処理量(km3/年))
  3. 飲料水事業(WaterKiosk事業)
    調達資⾦を充当した施設の状況(設置場所・設置基数、稼働したプロジェクトの状況、飲料水の供給量(km3/年)
  4. 太陽光発電事業の開発・運営・設備販売等
    調達資金を充当した適格プロジェクトの連系工事完了済みの発電施設数、発電施設の出力(kW)、年間発電電力量(kWh)及びCO2削減量(t-CO2/年)、調達資金を充当し売却が完了した施設の出力(kW)