DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT2025
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海外市場においては、インド、スリランカ、インドネシア、中国、シンガポール、バングラデシュの6拠点を中心に、東南アジア・南アジアで事業を展開しています。2024年のグループ全体における海外売上高は、前年同期と比較して大きく増加し、赤字幅は縮小傾向にありますが、引き続き受注拡大、生産能力の強化に取り組んでいます。最大の潜在市場を持つインドにおいては、大型の政府案件受注が進み、売上は増加しています。一方、現地自社工場での生産ラインにおける品質に課題が残っており、完成台数が伸び悩んでおります。浄化槽製造は職人の技術によるところが大きいため、現地の技術力に応じて製造工程から見直し、生産能力の改善に取り組んでいます。受注は順調に伸びているため、生産性が上がれば売上も確実に上がるものと考えており、2027年にはインド単独で売上21億円、海外事業の完全黒字化を見込んでいます。今後はメンテナンスにも注力していきたいと考えています。インドでは北部、西部、南部と大きく3拠点で市場を開拓してきましたが、拠点間が遠く、メンテナンスには不向きでした。例えばデリー周辺に一点集中で取り組むなど、より利益率の高いメンテナンス需要を取り込むことが黒字転換には不可欠だと考えます。また、飲食店など汚濁負荷が高い浄化槽の需要も取り込んでいきます。国内で蓄積した技術力の活用などにより、受注確率を上げていきます。スリランカでは組立工場の稼働が順調に進んでおり、従来の家庭用小型浄化槽に加え、中・大型浄化槽の現地製造も可能となり、売上・利益ともに貢献しています。今後、バングラデシュにおいても同様のモデルで現地工場を展開していく予定です。インドネシアでも2024年は、大型案件の成約によって売上・利益とも大幅増となり、通期での黒字転換を達成しました。引き続き内需を取り込み、工場の稼働率を上げていくとともに、現地事情に即した製品開発により現地メーカーとの競争力強化に取り組んでまいります。2013年より取り組んできた海外事業は、まだまだブラッシュアップの途上ですが、インドにおいて一定の成功を収めつつあります。新中期経営計画では、この「インドモデル(仮称)」の成熟化とグローバル展開を事業戦略の柱としています。インドでの成功要因を丁寧にモデル化し、それを他国展開に反映していくことで、さらなるグローバル展開を目指します。なお、スリランカでは、現地の子どもたちを対象にワークショップおよびイラストコンテストを実施しました。こうしたCSR活動を通して「水環境」を守ることの重要性を広めつつ、現地政府等とのルール作りを進めることで、市場への参入基盤をより強固なものとし、「グルーバルな水ビジネスプレーヤー」を目指してまいります。グローバル戦略の基本方針成長戦略常務取締役 CGO (環境機器事業統括本部長 兼 海外事業統括本部長)髙岡 慎也37インドにおける生産能力を強化し、より高利益率の案件受注へスリランカ、インドネシアはさらなる受注拡大へ政府との連携を強みに市場を開拓事業戦略 [ 環境機器関連事業(グローバル) ]「インドモデル」を磨き上げ、世界の水ビジネス市場の開拓に挑む

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