DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT2025
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環境機器関連事業では、浄化槽・排水処理システムをメインに、開発・設計・製造・施工・販売・メンテナンスを幅広く手掛け、2007年からは地下水飲料化システム(以下、「上水」)の開発・販売にも取り組んでいます。セグメント全体の成長戦略として、ストックビジネスの拡大、海外展開の加速、技術力・製品開発力の向上の3点を掲げ、このうち国内事業においては、ストックビジネスの拡大に注力し、売上高の維持と利益率の向上を目指しています。2024年には国内営業統括部と施設管理統括部の営業部門を統合し、各支店・拠点で排水処理システムの販売からメンテナンスまで一元管理できる体制を整えました。メンテナンスを強化することで次の新規受注につながるなど、そのシナジーが出現してきております。今後は新設受注時に必ず保守点検等のメンテナンスも受注し、長期的な修繕契約の提案も継続することで、施設管理の契約数を確実に積み上げていきます。ストックビジネスは、上水のエスコ事業やディスポーザの排水処理を含め、従前より取り組んできましたが、新設案件の受注に伴い、保守契約数も着々と増加し、年間150件のペースで積み上がっています。工場等の産業排水を中心とした大型案件の保守点検、修繕工事等をさらに取り込むことで、2027年までのメンテナンス売上において、年平均14%の成長を見込んでいます。2025年を初年度とする新中期経営計画では、「グローバルな水ビジネスプレーヤー」への変革を経営戦略に掲げています。国内事業においても、従来の工事と販売を主体とする浄化槽・産業排水システムのメーカーから、メンテナンス、上水を含めた総合的な水処理メーカーへのシフトを目指し、変革を推し進めてまいります。すでにエンジニアリング会社向けの提案型営業においては、上水と排水の装置を同時に提案することで相乗効果が上がっています。また、無機系排水処理の提案や、グループ会社との連携強化にも努めており、下水だけでなく、水ビジネス全般においてシナジーを高めていきたいと考えています。一方、グローバル全体での研究開発機能を一元管理することで、より迅速かつ機動的な開発体制を実現することを目的として、2025年より新たに研究開発統括責任者のポジションを設けました。今後、グループとしての技術力・開発力を一層強化してまいります。日本で培われた技術やソリューションを海外に展開していく上では、何よりも基盤となる国内事業を、さらに強固にしていく必要があります。「日本の安全安心を、世界の日常に」という目標達成に向けて自分たちは何をするべきか、一人ひとりが考えられる組織を目指します。2025年6月には食品製造展示会「FOOMA JAPAN」に出展しました。参加企業の排水処理に対する関心は非常に高く、こうした刺激を受けることで課題解決への新たな発見やアイデアも生まれます。今後も各種取り組みを進めることで、日本市場における新たなビジネスチャンスの獲得につなげていきたいと考えています。環境機器関連事業の基本方針成長戦略常務取締役 CGO (環境機器事業統括本部長 兼 海外事業統括本部長)髙岡 慎也33排水処理システムのストックビジネス化を推進浄化槽メーカーから、総合的な水ビジネスプレーヤーへ国内事業をより強くするために事業戦略 [ 環境機器関連事業(日本) ]ストックビジネスを拡大し、国内の収益基盤、R&D機能をより強固に

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