会長×社長対談−最後に、新会長・新社長として“PROTECT×CHANGE”への意気込みをお聞かせください。−新体制がスタートし、今後、特に注目してほしい事業はありますか。また事業以外で注力している取り組みなどもあれば教えてください。−新体制ではお二人をCEOとする2トップ体制としました。これにはどんな意図があるのでしょうか。また役割分担などはありますか。DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT | 04パレスチナ・イスラエル紛争が始まり、今年はいろいろな国で大統領選挙も行われることから、グローバルに政治も経済もどんどん変わるだろうと思う中で発した言葉でした。年が明けて1日に能登半島地震があり、2日には羽田空港事故もあり、本当に激動の船出になったなと驚きとともに受け止めています。−社長交代にあたってオウンドメディアの「AXIS Action!」でも新体制に向けての抱負を伺いました。裕会長は「CVCを立ち上げたのでスタートアップ企業を応援したい」、裕貴社長は「やり方を変えて、面白い業界、面白い会社にしていきたい」と言われていましたが、新しい動きはありましたか。裕会長 CVCは少しずつ動き始めています。今年5月にはグリーンデータセンターの開発に向け、GPUサーバの分散処理技術を持つベンチャー企業へCVCファンドによる出資を行いました。裕貴社長 グリーンデータセンターは、環境への影響を最小限に抑えながら最適なエネルギー効率を実現する、次世代のデータセンターです。このデータセンターの電力の一部に再生可能エネルギーを活用することで、再エネ事業とのシナジー効果を狙っています。今後もCVCと絡めながらいろいろな企業と連携して、各事業がさらに成長できるような新しいビジネスモデルにチャレンジしていきたいと思っています。裕会長 これだけ変化している時代なので、常に時代に敏感でなければと思っています。今、グループ内でもIT推進に取り組んでいますが、これからはたとえば住宅に関するIoT商材なども増えてくると考えられます。そこにはついていかなければならないだろうと思っています。やり方は何が正解か分かりませんが、メーカー機能なり海外製品の国内販売権なりを持てば、もう少し強くなれると考えています。裕貴社長 住機(住宅機器関連事業)は私も面白く考えたいと思っています。ビジネスとしてはゼネコンやハウスメーカーなどBtoBの事業ですが、価値を提供したいのはその先にいる一般消費者です。そこに我々の価値をどう訴えていけばよいのか、なかなか難しいとは思っています。その中で、先ほど会長が言われたスマートホームのところはぜひ仕掛けていきたいと思います。裕会長 2トップ体制は「+」でも「&」でもなく「×(バイ)」だと思っています。「AXIS Action!」の対談でも言いましたが、グループとしてはこの会長×社長体制がまさに“PROTECT×CHANGE”でしょう。私が守る、彼が変えるといった役割分担をしているわけではありませんが、変化が激しい時代だからこそ、早めに交代することで世代間の相乗効果を最大化できると考えました。裕貴社長 同じことは組織にも言えるかもしれません。2024年1月1日付の人事では意識的に若手を登用しました。経験豊富なシニア世代の方がいるうちに、30〜40代の若い世代を課長クラスに引き上げることで、次世代のリーダー人財を一緒に育てていくことができます。また若い世代が組織に新しい風を吹かせるかもしれません。やはりこれも「×」で、かけ算の相乗効果を生み出していければと思います。まだ一部での登用ですが、各部門でそういった体制が取れればと思っています。裕会長 まずは海外事業です。4月にはバングラデシュ、5月にはスリランカを訪問してきました。経済情勢としては両国とも多少不安は抱えながらも、当社グループの事業としてはかなりプラス方向の要素を持っています。インドを含めて、海外事業は今期中には結果が出てくると見ています。裕貴社長 先ほどのグリーンデータセンターもそうですし、バイオディーゼル燃料のプラントが4月に竣工し、関東エリアでの事業が始まります。四国各空港における作業車両へのバイオディーゼル燃料の供給も始まっていますので、再エネ部門の動きにも注目してほしいですね。裕会長 事業以外では、国内・海外問わずに社員の懇談会には定期的に出向くようにしています。やはり行かないと部署の雰囲気が分からないですし、直接コミュニケーションをとることで現場のモチベーションアップにもつながればと思っています。裕貴社長 私は情報発信です。理念を刷新し、“PROTECT×CHANGE”の精神や「守るべきものは守り、変えるべきものは変える」といった企業姿勢はかなり浸透してきたと感じています。あとはメッセージを受け取った社員がいかに仕掛けていくか。高い目標を掲げてどんどんCHANGEしていってほしいと思っています。裕会長 実績も外的内的な要因などでずっと抑圧されてきましたから、これからは右肩上がりで伸びるのみです。海外事業、CVCをはじめ、しっかりサポートしていきます。裕貴社長 会長のような立派な社長になりたいと思っているので、日々アップデートしていきます。最初に「激動の中の船出」と言いましたが、船はまだ港を出たばかりです。上場企業の社長として責任感を持って舵取りをしていきながら、皆がやりがいを持って働ける会社にしていきたいと思っています。INTERVIEW大亀裕会長 まだ半年ですからそんなに大きくは変わっていません。私自身は少しのんびりできるかと思っていましたが、各種イベントや海外出張などで意外に忙しくしています。4月は新たに現地法人を設立したバングラデシュの設立記念式典に行っていました。大亀裕貴社長 1月、2月は就任のあいさつまわり、3月は株主総会で議長をするため、その対応で忙しくしていました。自身の変化としては、お会いする方の立場が変わったので、相手企業の情報など、いろいろな話題を知っておかなくてはいけないという意味で、意識的に少し高まったように思います。裕会長 淡々と振り返っていますが、いきなり船出が能登の大震災から始まり、社内では組織改編もあり、就任初日から大変だったと思います。裕貴社長 そうですね。自分でも「激動の中の船出」と言っていますが、それはもともと昨年社長交代を発表した直後に「×(バイ)」の相乗効果でCHANGEを加速代表取締役会長 CEO代表取締役社長 CEO・CIO−2023年ダイキアクシスグループは創業65周年を迎え、2024年1月1日をもって大亀裕会長・大亀裕貴社長による新体制をスタートしました。就任から半年、ご自身の心境や環境の変化はありましたか。会長×社長 対談“PROTECT×CHANGE”次世代に向かっての変革期に大亀 裕大亀 裕貴
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