水環境を守ることは持続可能な未来を築くための基盤です。昨今、生活排水処理の高度化や産業排水において幅広い水処理技術が求められるようになっています。また、法適用外として処理が必要とされていなかった産業排水についても、環境意識の高まりから排水処理を求められることが多くなりました。当社では、さまざまなニーズに対応できるよう技術力・製品開発力の向上を進めています。浄化槽や排水処理設備を設置した後、定期的にメンテナンスを行わなければ、良好な水質を得ることはできません。専門スタッフによるメンテナンスを実施し、適切に排水を処理できる機能を維持することで日本の水環境を守ります。具体的なアクション新設住宅着工戸数減少や下水道普及により家庭用小型浄化槽の受注が伸び悩んでいるため、より高い技術力が必要とされる産業排水処理案件の獲得へ注力しています。長年当社が培ってきた微生物を活用した有機系排水処理技術の他、無機系排水処理でも大規模案件以外の幅広いニーズに応えられるよう、技術力強化を図っております。より競争力のある技術・製品開発を行うため開発部門の細分化を実施しました。新型浄化槽や産業排水処理装置の開発の他に、嫌気処理や腐植土を利用したシステム、FRPに代わる素材や新しい製造方法の検討など、幅広い製品開発に取り組んでいます。市場開発統括部内の営業推進部を東日本・西日本の2部制とし、各拠点メンバーと連携しながら施主・設計事務所・デベロッパー・ゼネコンへ中長期的な目線で情報収集や提案営業を行える体制を構築しました。また、排水処理製品・施設の販売からメンテナンスまでを一元管理することで、更なる営業強化を図るため、新規営業を行う国内営業統括部と、メンテナンスを行う施設管理統括部を統合しました。2022年2023年2025年目標法適用外の小規模排水処理物件数 ※累計2022年2022年国内総排水処理量 ※累計15,000㎥20件メンテナンス売上高 ※カッコ内契約数31億当社では、地下水飲料化事業にも取り組んでいます。自然災害時においても井戸からは安定した取水が望めるため、上水道が利用できなくなった際のライフラインとして活躍が期待できます。また、地下水飲料化により水道料金削減ができるため、事業の安定的な継続にも寄与します。長年の水処理技術から培ったノウハウを活かし、災害に負けないサステイナブルな街づくり・住環境へ貢献します。具体的なアクション従来、地下水飲料化事業はエスコ契約を中心に推進してきましたが、機器購入の需要も多いことから、より柔軟な提案ができるように体制を変化させています。エスコ契約の経験を活かし、お客様の施設としてプラントを施工する案件についても、販売後のメンテナンス契約まで意識した提案営業を行い、機器の安定運用と収益確保を目指します。地下水飲料化事業と排水処理事業の両方を行っている強みを活かし、病院や食品工場などに向けて上下水の複合的な提案も行っております。お客様側も窓口の一本化により効率化やコスト削減になるため需要が高く、今後も拡大を見込んでいます。KPIKPITOPICS(4,127件)(4,211件)2023年2025年目標2023年2025年目標45,000㎥29,700㎥60件37件33億46億2022年DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT | 25地下水飲料化事業売上高12億9.1億2023年2025年目標10.3億マテリアリティマテリアリティ0303成長戦略国内総排水処理量法適用外の小規模排水処理物件数メンテナンス売上高産業排水処理案件への注力と無機系排水処理の強化製品開発力の強化営業体制の強化より高度なメンテナンスと修繕・更新提案施設をより長く安定して運用できるよう中長期修繕計画を作成し、それに基づいた提案営業を行っております。お客様も突発的な費用の発生や、急な故障により排水処理が機能しなくなるリスクを抑えることが可能です。また、排水処理施設の老朽化に伴う大規模修繕提案も進めています。実際、当社がメンテナンスしている施設の中には、導入から長期間経過した施設が数多く存在しています。これらに対し、計画的な修繕や機器類の入れ替えを積極提案してまいります。地下水飲料化事業売上高エスコ契約と機器売りの柔軟性を持った提案排水処理との組み合わせによる提案営業排水処理設備におけるCO2排出量削減、省エネルギー化排水処理設備の省エネ化は、環境保全とエネルギー効率の向上を両立させる重要な取り組みです。当社では省エネ製品の開発を進めるとともに、排水処理施設におけるポンプやブロワなどの動力機器の更新や運転管理の最適化を進め、CO2排出量の削減、省エネ化につなげています。また、2017年から始まった環境省の「浄化槽システムの脱炭素化推進事業」に賛同し、多くの実績を上げてきました。同事業は浄化槽を対象にしたものですが、産業排水処理設備においても同様の意義があると考え、提案を進めています。今後も引き続き、お客様の排水処理設備においてもCO2排出量の削減、省エネ化を促進することで地球環境保全に貢献していきます。日本の豊かな水環境を守るサステイナブルな街づくり・住環境への貢献
元のページ ../index.html#26