DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT
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43 | DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT当社グループは、法人向けの産業排水処理案件の獲得に注力しています。これらは、クライアントのニーズに合わせた装置設計によって、より付加価値の高い提案が可能な上、契約のタイミングでメンテナンスもご依頼を受けることが多くなっております。例えば、2022年度は大手コンビニチェーンや地方に根差した食品加工会社の案件等がありました。お弁当・総菜・カット野菜等の食品加工業は各地に企業が点在しているため、当セグメントの得意分野である微生物を活用した有機系排水処理技術を生かした提案を積極的に行っています。また、定期的かつ長期にわたったお客様との接点を確保することで適切なタイミングでメンテナンスのニーズに対応いたします。さらに、自治体の水道料金の値上げを受け、長期間にわたり使用料金を固定して支払うエスコ方式の地下水飲料化事業はこれまで以上にニーズが高まると推測されます。また、エスコ契約を伴わない場合でも、販売後のメンテナンス契約迄意識した提案営業を行ってまいります。当社グループが提供する浄化槽等の排水処理装置は使用可能年数がおよそ50年と、長期間にわたりお客様に利用いただいております。しかしながら、古い製品ではエネルギー効率が悪いため、浄化槽本体や設備機器の入れ替え・改修時に環境省が一部補助金を出す“脱炭素化推進事業”に賛同し、省エネ推進に注力して業界トップレベルの実績を上げてきました。本事業はお客様からの反響も大きく、今後も積極的に継続してまいります。また、同様の省エネニーズは産業排水処理装置導入企業にもあるため、近年の電気料金高騰を踏まえて、高効率ブロワ等への機器交換や工場の稼働状況に合わせた制御機能の変更、稼働余力のコントロール等の細やかな調整を提案し、お客様のコスト軽減と環境負荷軽減を図っています。このような新しい切り口で、当社製品導入企業を中心にアプローチし、その後のメンテナンスニーズにも繋がる案件獲得を目指してまいります。2023年2月より営業強化を目的に東京を拠点とする市場開発統括部を設立しました。当セグメントは全国主要都市に拠点がありますが、施主・設計事務所・デベロッパー・ゼネコン等へのアプローチに課題がありました。当セグメントの製品は多岐にわたり、実際に製品を利用されるお客様と、案件管理をされているお客様では、営業側に求められる知識やスキルが異なります。それを踏まえ、市場開発統括部では、各拠点のメンバーと連携しながら中長期的な目線での情報収集や提案営業に注力してまいります。そして、取り組みの経過を踏まえ2025年度までには更に本組織を充実させます。また、市場開発統括部を中心により積極的にIT化を進め、クライアントデータベースの整備等も進めてまいります。これにより、将来的には事業セグメント内での適切な顧客管理や他事業セグメントとのクロスセルを強化してまいります。当セグメントが得意とする有機系排水処理だけでなく、近年は無機系工業排水処理のニーズも高まっております。当社グループでは2011年に無機系排水処理技術を得意とするレックインダストリーズ(株)(2019年に吸収合併)を買収し、該当分野の強化を行ってきました。また、小規模工場から排出される法適用の排水処理についても、それに合った処理装置の開発や販売等を行い水環境の保全に貢献しております。今後は高濃度の化学系排水等を処理する技術の開発や特殊素材を活用した臭気除去等についても、独自の技術確立と、その後の製品化を進めてまいります。2023年度はグループの研究開発拠点を集約する等、技術・開発のノウハウ蓄積をしやすい体制を整えております。新技術の確立により、潜在的な市場を捉え、新たな顧客開拓を行ってまいります。0303成長戦略ストックビジネスの拡大環境負荷軽減製品・サービスの提供営業体制の強化技術力・製品開発力の向上

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