DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT
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DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT | 20私は、2018年の入社以来、主に環境機器関連事業の海外事業に携わっております。元々私がサステイナビリティを強く意識したのは、大学生時代にケニアやインドへ訪れたことがきっかけでした。日本とヨーロッパで生活してきた私は、当時経験していた“整備された環境”とは全く違う現地の環境に、大変衝撃を受けました。ケニアやインドでは急速な都市開発が行われている一方、街の中を歩けば至る所でゴミが散乱し、川は悪臭とヘドロのような汚れが溜まっている様子を何度も目撃しました。水インフラの整備は、衛生環境の面だけでなく、そこで暮らす人々の生活水準の向上・教育機会の提供、ひいては経済的な格差の縮小にも繋がります。日本で当たり前に普及している浄化槽や上下水道といった水インフラが世界レベルで見ると当たり前ではない点、当社グループが提供するこれらのサービスが本当に私たちの暮らしを支えているのだという事を強く感じました。そしてこの度、“PROTECT×CHANGE”の精神とミッションである「環境を守る。未来を変える。」の実現のため、サステイナビリティ委員会を発足することとしました。背景には、サステイナビリティに関する機運が高まっている今、グループ全体の取り組みと社会課題への対応をより強く結び付けていきたいという強い思いがあります。今の世の中では、「気候変動への対応」や「水資源の保全」に加え、「生物多様性の保全」や「ダイバーシティ&インクルージョン」、「ビジネスと人権」等様々な分野に対する関心が高まっています。地球環境課題・社会課題への対応は、当社グループのパーパスやミッションの根底をなすものであり、当社グループと社会全体が持続的かつ地球環境に配慮した形で成長するための重要な経営課題です。当社グループではそれらを重要課題(マテリアリティ)として特定しており、今後の委員会活動では、グループ全体のサステイナビリティに対する考え方をより明確にした基本方針の策定や、各事業部門における具体的な施策の推進ができるよう取り組んでまいります。当社グループでは、約5年前からサステイナビリティを意識した取り組みを進めておりました。ESG経営の推進を経営計画に組み入れ、環境・社会・ガバナンスそれぞれの項目において持続可能な事業や組織体制を作り上げることを経営テーマとして取り組んでまいりました。2022年度からはESG経営の更なる推進のためのプロジェクトチームを立ち上げ、社内の体制構築を進めています。次頁以降のマテリアリティ抽出やKPIの設定を経営企画と経営層中心に行い、今後の運営・定着を行う為にもサステイナビリティ委員会が設立されたという経緯があります。その中でも特に私は同分野の課題については以下のように考えています。当社グループが、「世界の環境課題を技術とアイデアで解決し、世界の人々の生活を支える」というパーパスを根幹としてESG経営を実現していくためには、グループ全体で長期的な視野を持ち、事業を通じた環境および社会課題の解決と、社会の一員としての責任のある事業活動が両輪となった企業経営を行っていかなければならないと考えています。当社グループは、環境問題を最重要経営課題の一つとして位置付けております。中でも、現在注力しているのは、世界各地で起こっている水問題に対して、分散型排水処理の技術を用いた課題解決への貢献です。また、気候変動問題に対しては全てのバリューチェーンを含めた事業活動における二酸化炭素排出量の抑制にとどまりません。再生可能エネルギー事業部が中心に対応しているお客様への最適なエネルギーミックス提案を含め、環境全般・再生可能エネルギー分野において、イノベーション創出に貢献する製品およびソリューションの開発と事業展開に取り組んでまいります。サステイナビリティを軸とした企業経営は、顧客、株主、取引企業、従業員、地域社会等ダイキアクシスグループを取り巻くあらゆるステークホルダーとの良好な関係が構築できてこそ可能となります。当社グループは、良好な関係構築に向け、企業活動全般について皆様との円滑な相互理解に努め、企業価値の向上に取り組んでまいります。また、当社グループは、従業員一人ひとりが個性とそれぞれの能力を最大限に発揮し、仕事を通じた自己実現を図りながら、社会に貢献できる人財マネジメントの仕組みを持つことがESG経営を推進していく上で重要であると考えております。そこで、業績達成と従業員個人の能力のスキルアップに繋げる「目標管理制度(MBO)」や、成果と行動を評価して納得感のある公正な処遇に繋げる「人事考課制度」等の人材評価プログラムを導入しています。当社グループは、グローバル企業として企業価値を向上させ、顧客、株主、取引企業、従業員、地域社会等のすべてのステークホルダーに対して社会的責任を果たしていくため、コーポレートガバナンスの充実が必要不可欠であると認識しております。これらは、企業の社会的責任を担保する大切な仕組みであり、事業運営の基盤です。単なる仕組みにとどまらず、実効性を高めるための運営を社内で推進いたします。サステイナビリティ委員会の設立について当社グループにとってのサステイナビリティ基本的な考え方環境課題 ~気候変動の緩和に向けた対応や水環境の保全~社会 ~ステークホルダーとの対話~事業を支える土台 ~ガバナンス、コンプライアンス~

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