DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT
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09 | DAIKI AXIS INTEGRATED REPORT2022年度12月期連結決算は、過去最高売上高を計上しました。2022年度の顕著な取り組みとして、下記2点が挙げられます。1つ目は、環境機器関連事業の海外拠点であるスリランカ・インドでの事業の拡充です。大口案件の受注があったほか、スリランカでは2022年10月に小型浄化槽の組立工場が完成し、出荷を開始しております。インドでは2022年11月にインド国内で独資による、大型浄化槽の製造工場が完成し、2023年2月に初出荷となりました。2014年に誕生したモディ政権のもと「クリーン・インディア・プロジェクト」が発表され、屋外排泄ゼロ運動としてトイレの普及が急速に進められています。トイレを設置することで、次に必ず問題となるのは汚水処理です。政策開始当初の下水道普及率は15%程度でしたので、個々の家庭や地域で汚水処理を行う浄化槽市場は拡大が期待されました。当社グループは、浄化槽を提供する日系企業として初めてインドに進出しました。インドは一般的に難しいマーケットだと言われておりますが、当社グループでは、インドを愛し現地文化に精通したメンバーの推進力により、想定よりも早く立ち上げに成功しました。今後も当社グループが持つ排水処理技術を活用することで、工業化・都市化が進む現地での環境課題を改善・解決してまいります。2つ目は、再生可能エネルギー関連事業の拡充です。これまで当セグメントは固定価格買取制度(FIT)を利用した売電が主な売上でした。しかし、これだけでは多様化するお客様のニーズに応えられないと考え、2021年10月に太陽光発電設備の提案から施工・保守まで一貫したサービスを提供する会社を買収し、子会社化しました。その結果、太陽光発電のNon-FIT分野のカバーが可能になりました。再生可能エネルギー関連事業において大切なのは、お客様がそれぞれの場所で適時適切なエネルギー生産と消費ができることです。環境意識が高まる中、当社グループではお客様への提案力を強化し、2025年までに当事業を第3の柱として、更に成長させていく計画です。近年は新型コロナウイルス感染症の拡大をはじめ、世界情勢を揺さぶる大きな混乱が立て続けに起こりました。このような状況ではありましたが、これまで積み上げてきた国内外のお客様との信頼関係と事業の拡充により、業績は大きな影響を受けることなく堅調に推移しています。また、このような混乱期においても、大きなビジネスチャンスを見出すことができました。例えば、先に述べた海外における環境機器関連事業や太陽光発電を始めとする再生可能エネルギー関連事業は、人々の生活を支える基盤であり、まさにこの数年の時代の潮流に応える形で成長してきた事業です。そして、これらは当社グループの次世代の事業基盤となるものだと考えております。引き続きこの成長分野に注力し、中期経営計画の最終年度(2025年度)には連結売上450億円、営業利益20億円という目標の達成を目指してまいります。また中期経営計画達成に向け、既存事業での堅実な売上・利益の確保と従業員に向けた投資を引き続き進めていきます。これらの課題には2021年度から着手しており、既存事業の売上・利益確保については各セグメントの計画達成に向けたPDCAサイクルを見直し、進捗のモニタリングの報告を強化することで整備を進めました。従業員に向けた投資については、他社に先駆けたベースアップ実施、評価制度の見直しやITを活用した従業員の個性やスキルの見える化と社内業務の効率化等を行っております。業務効率化と生産性向上、経営層と従業員の相互理解の活性化により、従業員一人ひとりが生き生きと働ける環境を整えてまいります。落成式グローバル戦略再生可能エネルギー関連事業中期経営計画財務戦略P31人事戦略P35P45P53P292022年度12月期の振り返り中期経営計画達成に向けた今後の課題CEOメッセージ

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